●弔辞の書き方
弔辞はふつう、末永く喪家に保存されるものなので、文面をよく吟味し、丁寧に書きましょう。

正式には巻紙に薄墨の毛筆でしたため、奉書紙に包んで「弔辞」と上書きするものですが、無地の白い便箋か市販の弔辞用紙を用いてもかまいません。  朗読時間は三分くらいがふつうで、これは四百字つめ原稿用紙で二〜三枚程度です。忌み言葉気を付けて感傷的になりすぎないようやや押さえ気味に書くのがコツです。

文例1(友人への弔辞
「謹んで○○さんの御霊に捧げます。山が好きだった○○さんに始めてお会いしたのは十年前、北アルプスの山小屋でした。以来、今日に至るまで○○さんには山だけでなく、仕事のこと、人生のこと教わることばかりでした。今、その大切な人を失い、私は、悲しみと寂しさでいっぱいです。でも、大丈夫ですよ。貴方に教わったことの一つ一つを胸にとめ、これからもがんばって生きていきます。長い間のご厚情、本当に有り難うございました。どうぞ、安らかにお眠り下さい。」
文例2(社葬での弔辞)
「○○株式会社取締役○○○○殿の社葬が執り行われるにあたり、○○関係者を代表し、謹んで哀悼の意を捧げます。貴方は、その生涯を捧げてこられた○○事業の中で、早くから○○の必要性に着目し、その研究と開発に尽力されてこられました。我々は貴方の後継者として微力ながら今後とも努力して参ります。○○○○殿のご冥福を祈り、弔辞とさせていただきます。」


●読み方の作法
司会者に指名されたら、

1. 立ち上がって遺族に一礼し、祭壇の前に進む
2. 祭壇に向かって一礼する
3. 弔辞を左手でもって右手で開き、巻紙を取り出す
4. 上包みをたたんで弔辞の下に持つ D右手で弔辞をゆっくり開き、目の高さに捧げて読み上げる
5. 読み終わったら奉書紙に包み直して祭壇へ向こう正面にして供える
6. 霊前に一礼、遺族にも一礼して席に戻る

慣れてないことなので、練習が必要です。時間を計りながら声を出して読み上げます。あがると早口になるので、ゆっくり読むよう心がけましょう。



●すぐ弔問する
本人が旅行中だったら、喪家の連絡漏れなどで、葬儀後に不幸を知ることがあります。そういうときは、先方の都合を確かめてからすぐに弔問に伺います。

入院中や海外に滞在中ですぐに行けない場合は、事情を説明してお詫びし、お悔やみの手紙を出します。

●香典は控えめに

香典を持参あるいは郵送するなら、すでに香典返しの手配がすんでいる場合もありますので、金額を少し控えめにして、お返しの心配はしないよう、中袋に一言書き添えるか、親しい間柄なら直接その旨を伝えます。



●七日目ごとに供養する
仏教では亡くなった日から七日目ごとに七回、故人の冥福を祈る儀式が行われます。これを法要といい、飲食を含めた法要のための行事を法事といいます。

最初の法要である初七日は、現在では葬儀当日に繰り上げて行うことが多くなりました。その後の法要はだいたい内輪で済ませますが、四十九日はこの日をもって忌明けとなるので人を招いて盛大に営まれます。

●出欠の返事は早めに

法事は自宅やお寺で営まれるのがふつうでしたが、最近は墓園付属の会館やホテルが利用されることも多くなりました。また、お寺でお経を上げてもらったあと、レストランや料理屋に席を移して会食することもあります。

招かれたら出来るだけ早く出欠の返事をしましょう。引き出物や会場の準備を整えるため、喪家にとって人数の確認は重要なことなのです。

出かけるときは喪服ではなく平服にします。もちろん場所柄をわきまえて派手なものや奇抜なもの、ラフなスタイルは避け、化粧も控えめにします。

●香料は香典の半額が目安
法事には香料か供物を持参する習わしがあります。香料は香典と同じように包み、表書きは「御仏前」とします。水引は銀一色か黒白のものを使います。

金額はだいたい香典の半分ぐらいを目安としますが、茶菓子のもてなしだけで簡単に営むときもあるので、喪家の方から特別 な心配はしないようにといわれたら香典の二、三割程度にしておきます。

●供物を贈るときは
供物として生花、果物、菓子類などを用います。上質の線香やろうそくでもよいでしょう。金額は香料の場合と同じです。供物は祭壇に飾るので贈るときは早めに届けましょう。参会者が多くなりそうなときは、喪家の都合を考え「御供物料」「御花料」としてお金を包んだ方が無難です。



●身構えず会葬を
神道やキリスト教の葬送儀式は仏教のものとは意味内容がかなり異なりますが、死亡から火葬までの大きな流れは仏式のものとほとんど変わりません。

したがって、一般の会葬者は特別に緊張したり身構えたりする必要はありません。服装も仏式のときと同じように考えて差し支えありません。

●喪家の指示に従って

仏式装との大きな違いで、一般会葬者にも関係あるのは、拝礼のしかたと供物についてのマナーの二点といえます。神式やキリスト教式の場合、会葬者が迷わないように喪家側が何らかの配慮をしているはずです。会場に着いたら、落ち着いて係りの人の指示に従ってください。



●手水の儀
神道ではすべての儀式の前に必ず清水で身を清めます。これが手水の儀で、最近では省略されることも多くなっていますが、正式な作法は次の通 りです。

1. ひしゃくの水を三度に分けて左手を洗う
2. 同じように右手を洗う B左手で口をすすぐ
3. 半紙で手を拭く

●玉串料・供物

神道でも喪家にお金を送りますが、香典とは言わず、表書きは「御玉串料」「御榊料」などとします。水引は銀または白のものを結び切りに掛けます。

供物は野菜、鮮魚、果物、清酒などですが、菓子やろうそくでもけっこうです。野菜や鮮魚は喪家の都合を確かめてからにしましょう。清酒はよく用いられます。

●霊祭
人を招いて盛大に営まれるのは五十日祭、百日祭、一年祭などで、墓前の儀式で玉 串奉奠したあと直会があり、お酒や食事が出されます。拝礼は一年祭まではしのび手です。

服装や持参するものは仏式と同じと考えてよいでしょう。現金を包むときの表書きは「御神前」「御玉 串料」などです。



●日本式の葬儀
現在、日本で行われているキリスト教式の葬儀形式は、仏式やや神式などの影響を強く受けた日本独特のものです。 聖歌・聖書の唱和

儀式の中に、参列者がが聖歌や聖書の一節、祈りの言葉などを唱和するところがあります。信者でなければ聞いているだけでもかまいませんが、教会の入口で歌や祈りの言葉をプリントしたものを渡されますので、誰でも唱和することができます。

●撒水と献香
キリスト教では撒水や献香が本来のやり方ですが、日本では献花が定着しています。また、キリスト教の場合でも献花に代わって仏式と同じような焼香を行うことがあります。

●御花料
仏式の香典にあたるのが「御花料」です。金額や差し出す時期などは仏式に準じてかまいません。不祝儀袋に入れ、表書きは「御花料」とします。

●花環
通夜・葬儀に造花の花環を届けるのは仏式の習わしで、キリスト教式には使いません。どうしてもというときは聖歌の花環を贈ります。花屋に注文する際、キリスト教の葬儀用といえば、そのようにセットしてくれます。花の色は白一色に限られます。

●供花
白の花束も供花として使います。花環や供花には黒いリボンを付け姓名を記したカードを添えますが、プロテスタントの場合、送り主の名前は出さないので、名刺か名前を書いたカードを封筒に入れて添えるようにします。

●献花
献花の花は参列者が用意するのではなく、喪主側が用意します。葬儀社に頼めばすべて手配してくれます。献花用の花は白菊か白いカーネーションがふつうです。

●献花の渡しかた
献花のわたしかたは、

1. 花の根元が霊前に向くように捧げる
2. 手を組み頭をやや下げて黙祷する(プロテスタント)
3. 前向きのまま少し下がり遺族に一礼する

という順に行います。
献花台に捧げたあと、カトリックでは十文字を切りますが、プロテスタントは深く一礼するか黙祷を捧げます。